人工股関節置換術 入院編 ①
手術の2日前に自分の股関節とのお別れランをします。(やっぱり痛いし、びっこ具合がビデオでまるわかりだし、でもガーミンにも記録残したかったし)
そして足全体の脱毛も完ぺき。(これも感染症予防のための医師からの指示です。皮膚を傷つけないために方法は脱毛クリームです。)
手術前日の夕方から入院します。
明日は何時ころに手術の予定かきいたところ、難しい手術の人や高齢者から先にするので、私の手術は一番最後の夕方16時頃からと言われます。(はいはい、私の手術はシンプルで元気ってことですね。でも先生ちゃんと休憩とってね。私の番の時に疲れ果てていないことを祈る。)
看護婦さん:今夜1回、消毒の石けんでシャンプーも含む全身のシャワー、そして手術予定時間の2時間前になったら連絡にくるから、もう一回消毒のシャワーしてね。(了解しました)
早目の夕食はほとんど味のないマメのピューレみたいなもので、不味すぎる〜。そしてその後は手術まで絶食〜。
(一番手の人は朝8時からの手術だからいいけど、私の場合、夕方なので腹がすいてたまりませんでしたよ。)
そしてついにおよびが来ました。
ストレッチャーにのせられて地下の手術室に降りて行きます。(ドキドキ)
手術を待つ患者の控え室のような所に入ると、みんなストレッチャーに寝かされて、まな板の鯉状態、ずらっとスタンバってます。
手術着をきた看護婦さんから点滴やら何やらどんどん身体に装着されていきます。
隣をみたら息子と同じ歳くらいの青年が。(こんな若くても同じ症状なのねー)
身長がでかいらしく、足首から先がストレッチャーからはみ出ています。(目があってウィンク)
そして、麻酔の先生がやってきて何やら話しかけられたところでプッツり記憶が‥‥
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「おきて〜」の声が聞こえます。
「Oui Oui」でも眠いー。
「あら、また寝ちゃダメよ! 今から麻酔のチューブをぬくから、ぬいたら大きく息を吸い込んでよー」
1、2、3 ゲホゲホ 息が入ってこない ゲホゲホ やっと息できた。(あー苦しかった)
あれ? 手術終わってる?
隣をみると若者からおじさんに変わってる。
おじさん、突然ストレッチャーの上でバタバタ起き上がろうとして看護婦さんからたしなめられています。
その向こうのおばさんはシクシクないています。
看護婦さんから「無事手術は終わってますよ。何が悲しいのですか」と聞かれても泣き続けます。(さすがフランス人みなアクが強い。ちょっとカオス状態デス。 笑)
足をそっと動かしてみる。傷の辺りが変だけど今んところ痛くはなさそう。
手術にかかった時間は1時間45分くらいだったようです。
病室に戻り、看護師さんに手伝われてベッドに移動させてもらった時発見! しっかり愛の水中花(弾性ストッキング)はかされてるわー!それも両足。
事前に自宅で試したとき、きつくて上げるのが相当大変だったのに、一体どうやって履かされたんでしょうか (笑)
腕には抗炎症剤か抗生物質と思われる点滴がつけられ、脚の付け根の傷口には巨大バンドエード、その下からドレイナーのチューブが出ています。
看護婦さんがやってきて痛みの具合はどうかと聞かれます。
私:痛くないです
看護婦さん:え?
私:傷口は痛いけど足を動かさなければ大丈夫です
看護婦さん:えーっと、痛みのレベルが1〜10だとしたら何レベル?
(この人フランス語理解できないんだわ という表情ありあり)
私:3くらい
看護婦さん:すこしモルヒネ入れましょう
私:(ヒャー いきなりモルヒネ!?ありえないわー)3くらいだから痛くないの、モルヒネはいりません
看護婦さん:我慢しなくて良いのよ、皆さん術後はすぐ入れてくれっていうんだから
私:いやいや、我慢してませんから大丈夫です〜 (^_^*)
恐らくその後ナースセンターでは、術後なのにモルヒネいらないとかいう謎のアジア人がやってきたと話題になっていたに違いありません。(笑)
蘇生室を出て、病室に戻ったのは20時ころだと思いますが、寝込みを襲って外科医が手術後の様子を見に来ます。(恐らく23時頃)
「手術は無事すみました。やっぱり手術して良かったですよ、大きな裂け目が入ってましたから〜」
裂け目?どこに?とぼんやり思ったのですが、寝ぼけた頭で質問する余裕はなく「メルシー」バタンキュー となったのでした。
(朝8時に始まる最初の手術から夜の23時頃までの術後の回診、ご苦労様です。いけ好かない外科医のポイントがややあがりました。)
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今日のウォーキング 13.2km
ノートルダム寺院方面に行ってきました。
教会はもちろんですが、寺院の前の広場に知る人ぞ知るもう1つの重要なポイントがあります。
「POINT ZERO」「DES ROUTES DE FRANCE」と刻まれています。フランスの地図の距離はこのポイントゼロを起点として作成されているんですよ。日本にもそんなのあるのかな?
人工股関節置換術に至るまで ⑦
人工股関節作成のために3Dスキャナーで股関節の映像をとり、オーダーメイドの人工股関節を作成してもらいます。(作成まで1ヶ月程かかるとのこと。こちらもギリギリ)
麻酔医の事前診察もクリア。
心臓専門医からの手術許可の証明書取り付の為受診します。
心電図やら、なんやらの検査の後に医師から言われます。「なんか運動してます? 心臓年齢、大体36歳くらいですね〜」(やっとポジティブなコメントを頂けてニンマリ)
次は薬局にて、松葉杖と術後の血栓症予防の弾性ストッキングの予約です。
ヨーロッパでの松葉杖のスタンダードはこんなの。
そして弾性ストッキングはサイズを測ってオーダーしてもらいます。
そのころアメリカのTちゃんのご主人は人工股関節の手術を終えました。
彼はサイドからの切開、ポリエチレン+チタンの手術方法。
Tちゃん:無事、手術終了しました〜
私:良かったね
Tちゃん:日帰りの予定だったけど、1泊入院させてもらえることになったのよ
私:えええー! 日帰りって‥ありえない‥
Tちゃん:手術の説明の時、日帰りっていうから「うちは下がガレージで、2階が居住空間なので家に入るのに階段があるんですよ」って伝えたら医者から「サンフランシスコの家は皆そうですから」って一蹴されたわよ。
(さすがアメリカの医療制度、相当厳しい様子です。他人事ながらとりあえずオバマケア継続となってヨカッタ。)
そして私は数日後、薬局に注文済みのストッキングを取りに行きます。
箱の写真の様子がちょっとおかしいけど、どれどれ?
やっぱり! 相当おかしい。
早速Tちゃんへ連絡
「弾性ストッキング処方されてる?」
「うんうん」
「こんなやつ?」
Tちゃん:「全然ちがうもっとプレーンなやつ。 そっれは薬局の間違えでしょ! 笑笑。 だって、それじゃ愛の水中花になっちゃうじゃん」(超古くてすみません)
だよね〜!
(薬局の店員さん、注文のとき同僚とおしゃべりしながらやってたからオーダー時に間違えたに違いないわ。ありがち)
その前に医者の処方箋に書いてある内容で検索してみましょう。
ジャジャーン 表示されたイメージ画像は全てこのタイプのストッキング。
どうやら間違いではなく、フランスのお国柄だったらしいデス。(笑)
しっかし、どう考えても病室にあわないわー。
そしてもっと強烈なのは男性の場合 🌀🌀
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今日5月1日はメーデーですね。フランスではFête du Travail (フェット・デュ・トラバイユ) と言います。
そして幸運をもたらすという すずらんの花 を贈りあう習慣があります。
今日一日は街の中が即席すずらん屋さんばかり。
いい香りです。
そして皆さんにも
良いことがあります様に!
人工股関節置換術に至るまで ⑥
外科医の秘書から手術についての添付書類が沢山ついたメールが届きます。
- 術後の感染症を防ぐ為、むし歯や歯根に炎症がないか確認するための歯科医の受診と治療済みの証明書取り付け要
- 心臓専門医での診察、証明書取り付け要
- 入院に関する必要書類と、外科医と麻酔医への手術に同意する旨の署名書類
- 松葉杖の処方箋
- 術後に使用する血栓症予防用の弾性ストッキングの処方箋
早速、歯科用のパノラマレントゲンを予約。
結果、小さい炎症がみられるので手術前に治療要との指示。
いつもの歯科に予約を取って治療の依頼をしたところ「炎症が特別だからココでは無理。複雑な歯神経治療に対応できる専門医を紹介するね。」と言われます。
(無理って 歯の治療は高額なので、お宅で頻繁にチェックアップしているではありませんか。おっかしいな〜)
こんな時の医療分業は不便、転々とする間に時間がどんどん経つのに焦りながら歯神経の専門医に受診。
レントゲンを見た医師からさっそく聞かれた質問がこれです。
「放射線治療してますよね。合計の総線量はどのくらい?」
え? なぜに今ここで放射線の話が?と思いながらも、治療回数は33回であることを伝え、総線量は知らないので担当医に確認しておくことを前置きし、理由を聞きます。
医師:結構な量の放射線治療をしていると、照射で歯の神経が非常に弱くなっていて少しのことで炎症を起こしやすくなってしまうんですね。
虫歯はありませんが、3カ所の歯根に炎症があります。これを全て治療しないと股関節の手術を許可する証明書はだせません。
私:結構な量の放射線とはどのくらい?
医師:30グレイくらいかな。
自宅に戻ってさっそく放射線専門医にメール。
返信メールには「総線量 66グレイ」とありましたヨ。 ひゃー。
その治療のおかげで私はここにいる訳ですが、その量にぶっ倒れそうになりました。(笑)
予定している股関節の手術にどうしても間に合わせたいと懇願し、歯科医は何度かランチ時間を削って予約を入れてくれて、手術1週間前にギリギリ間に合ったのでした。
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今日のランニング
公園周回コース 5km (1km走っては心拍が落ち着くまで少し歩くの繰り返し)
メモ:太腿付け根の違和感は前回と同じ、心肺はほんのちょっとだけ楽だったかも。
最後の1kmで「ややびっこになってるヨ」と息子に指摘され、もう少し行けそうだったけどやめた。
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消防士の朝トレ見つけた!
公園の芝生の草刈りヘルプでしょうか?なぜ君たちがパリのど真ん中の公園にいるのかな?
パリのマルシェはホワイトアスパラガスの季節真っ盛りです。
私はこれに目がなくてー。
パリ 20kmレース
今朝メールを開けると、毎年10月初旬に開催されるパリ20kmレースからのお誘いが届いています。
毎年でてるもんね。
今申し込むとまだ安いもんね。
(フランスでは一般的に、申し込料はレースが近くなるにつれて徐々に上がるので、公開と同時に申し込むと経済的です。)
パリ20km(20km de Paris)のレースは、エッフェル塔対岸の橋をスタートし、ブローニュの森の中を走ってエッフェル塔の足元に戻ってくるパリ西半分を走るコース。パリで開催されるメジャーレースの1つです。
(写真は公式サイトよりお借りしました)
まだ5キロも走れないのに、一瞬申し込もうかどうか迷った自分に驚きました。(笑)
レースに出場するには医者の証明書も必要なのに。
(フランスでは、競争レースに出場するには1年以内に発行された医者の証明書の提出が必要です。)
半年後にはどうなっているんでしょうかねぇ。まだ未知の世界。
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パリ20kmからのメールで、今年3月にあったもう1つのメジャーレースであるパリ ハーフマラソン(Semi Marathon de Paris)のことを思い出しました。
パリハーフマラソンは、パリの東端にあるヴァンセンヌの森をスタートしてパリ中心で折り返し、同じ森に戻るというコースです。
パリ20kmとパリハーフマラソンを併せると大体のパリマラソンのコースになるのでマラソンも含めて3点セットで出ている人が多いです。
もちろんながら、こちらのレース、私は1年前に申し込み済みです。ゼッケンは申し込みそびれたというラン友のアミちゃんに譲りました。
当時私は術後2週間、片方松葉杖をついていました。
数日前から結構な雨の予報だったので、私のゼッケンで走るアミちゃんはじめ、その他の仲間たちの応援はムリと思っていたのですが、朝起きてみたらなんとまだ降ってないし。
家から一番近いコースは徒歩2.5km。
計算したらまだ間に合うとわかったら、いてもたってもいられず応援に行きます。
そして途中から予報通りの雨と風になり、そして寒い〜。
片手に傘、もう一方に松葉杖をもちながらの応援中、靴ひもがほどけてしまった参加者が、手がかじかみすぎて中々結べないのをみて「このレース、正直言ってでられなくて良かった〜」と思う程の厳しいコンディションです。
結局仲間は数人しか見つけることはできなかったのですが、私のゼッケンで軽く代走したアミちゃんやってくれました!
タイム:1h30mxx カテゴリー年代別女子 1位 (もちろん事務局には代走申告、取り消し依頼済みです)
そして参加Tシャツとメダルを届けてくれました。
優しいアミちゃんです。(笑)
(写真はお借りしてますが、アミちゃんデス)
本人の感想:(ゼッケンをみて、皆さん沿道から応援してくれるのですが)「アレアレ(行け行けの意)○○子ー!」と応援されて走るのは楽しかったそうです。
まっ、フランス人には〇〇子が女性名か男性名かわからないので、そんなに問題なかったと思いますけど。(笑)
人工股関節置換術に至るまで ⑤
2人の医者の診断内容を頭の中で整理します。
侵襲が少ない手術だから、人工股関節の前にまずはそっちからと思っていた内視鏡術は、医師2人ともが勧めないと言っていることから排除。
では人工股関節手術をするのか、もう少し待つのか。
運動能力を衰えさせないためにも、できるだけウォーキングを心がけていたのですが、椅子に座っている仕事中も時々ジンジンしてきて足の位置を頻繁に変えないといけないとか、車に乗る時、手で足をヨッコラショ と持ち上げないといけないとか、生活の不便さがどんどん増すのと、何より、四六時中 痛みがあることにだんだん我慢できなくなってきます。
ランニングの面でも、痛みを感じながらたった数キロ走っていても全然楽しくないし、今残っている関節間の軟骨が今後減ることはあっても増えることはないし。
それに、術後のお勧めスポーツにトレッキングやサイクリングは含まれているようなので、そっちに方向転換するしかないかな という考えにだんだん固まってきます。(ランニングだけが人生ではないと言い聞かせる感じ)
そんな時、ランニング中にほんの少しの道路の凸につまずき、野球の滑り込みセーフのような形で派手に転けます。
そして「足が全く上がっていないということだ」と「もうダメだ。手術しかない。」と悟ります。近くを走っていた人も派手な転け方に驚いたようで、早速近寄ってくれて「疲れているようだから家に戻ってオレンジジュースでも飲んだ方がいい」(笑)と言われたりして。
幸い怪我は擦り傷だけでしたが、家に戻ってGerminの歩幅を久々にみてみたら、普通に走れていた頃より約20cmも狭い。💦(やっぱりこっちもダメだ)
心が決まったら一直線の性格の私、いくら相性が悪いと言っても、術後「走れる」と言っている方の医者にするしか選択はありません。
早速、手術希望の旨を秘書に連絡したところ、一番はやくて約2ヶ月後の2月中旬と言われます。
それまでに必要な検査や治療が沢山あるのでということで、指示書は全てメール添付送ってくれるとのことでした。(本当に便利な世の中になったもんですね)
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今日のランニング 4.8km(run & walk)
メモ:やっぱり強く踏み込むと鈍いズキン感あり。(内股と鼠蹊部の間の太腿付根あたり、傷口付近ではない)
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ウォーキング中、スーパー消防士の自己トレーニング発見。腕力だけで上までロープ登り、さすがです。
人工股関節置換術に至るまで ④
いけ好かない外科医の診察から強気で帰ってきたもの、症状は改善せず、抗炎症剤の薬を飲んでみますがお腹の具合が悪くなるだけで一向によくなりません。
毎日悶々としながらネットで人工股関節置換術について調べます。
素材の種類は主に、ポリエチレン、金属、セラミック、それらのミックスなど。
手術の方法も色々で、前、サイド、後方など。
(症状、年齢、職業、生活習慣などにより、いろいろ選択があるようです)
手術後のスポーツは可能とありますが、その種類をみるとランニングはオススメできないカテゴリーの該当ばかり。日本語、英語、フランス語の関連サイトを見まくりますがランニングができると書かれているものは見つかりません。
例のご主人が手術を予定しているアメリカの知人Tちゃんに、私も同じ手術を勧められたこととを話し、その後のスポーツについて聞いてみます。
「術後は Forget about running っていわれてるわよ。」
ガガガーン! やっぱりそうじゃん。ランニングはできなくなるのね。
少しでも走れるなら、このままもう少し様子を見ようかな。
それにしても50代前半でこのハンディキャップ状態はやっぱり問題あるしー。
でも股関節を取り替える手術って怖そうだし。
(前方に進む動きができないわけではないので歩けます。相当変なフォームだったと思いますが、5kmくらいなら走ることができました。着地と地面を押す時の毎歩2回づつ痛いですけど)
手術をすべきかしないべきか毎日ぐるぐる悩む日々。
そうだ!セカンドオピニオンを受けてみよう。今度は私立病院ではなく公立病院で と思い立ち、股関節に強そうな整形外科のある公立病院を調べ、予約します。
初老の穏やかさ満々の空気を放った男性の公立病院医師とのやりとりは以下のとおり。
医者:画像を見る限り、骨と骨との間の軟骨の減り方はそこまで悪くない。
初診で手術を決める程ではないから、抗炎症剤の飲み薬を飲んでちょっと様子を見てみましょう。
一般的に変形性股関節症(私それだったんだと今更ながらに認識)の痛みは、高まったり、静まったりを繰り返しながら段々悪くなって行くのが通常なので、今から痛みが徐々に低まる可能性もある。
ただし先天的な症状の問題があるので、将来的に人工股関節の手術をすることになる可能性は高いです。
内視鏡手術はあなたの症状からあまり効果がないと思うので勧めません。
私:で、術後走れるようになりますかね?
医者:マラソンは無理(とキッパリ)。軽いジョギング程度かな。
あなた、走りたいからとか、マラソンのために手術するとかいう考えはいかんねェ(と釘をさされる。いかんねェって言われたって、好きな物は好きなのよ。)
医者:ところで、あなた国籍はどこ?
私:日本人ですけど。
医者:(ニコニコ顔で)
- 先天性臼蓋形成不全の研究をしているが、世界でその症状が一番多い人種は日本人なんだよね。
- 同じアジア人でも他のアジア国には少ない、日本人だけ、面白いでしょ。
- そしてフランスでは、ブルターニュ地方にすむブルトン人にその形成不全が集中している。
- しかも、ブルトン人と日本人の形成不全具合がそっくり。遺伝的にどっかで絶対つながってると自分は確信している。
※Wikipediaより
ブルターニュは、フランス北西部、ヨーロッパ大陸の北西に突き出た半島にある。北はイギリス海峡、西はケルト海と大西洋、南をピスケ湾と接している。ブルトン人は、フランスのブルターニュ地方に主として暮らすケルト系民族のこと。彼らの先祖は4世紀から6世紀にかけてグレートブリテン島南西部から移住してきたブルトン人である。
先生の目は、「(中々フランスでは出会えない)日本人の患者がやってきたぞ〜」でルンルンしていましたが、私の中では、「この先生優しくて研究熱心そうだけど、 スポーツに否定的だからダメだわ。」ということで、「次の予約は3ヶ月後に取ってね」と医者が秘書に伝えている横で、予約は取らず「考えます」と伝えたのでした。
もしかしてワレワレのルーツにイギリス人の血が入ってます? 逆かなあ?
それにしても激しく進化したもんだ。(笑)
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ウォーキング 4.6km
ロワイヤル橋で何かの撮影してました。
ここん所、ヘリコプターがぶんぶん飛んで騒々しいと思ったらトムクルーズの映画撮影の仕業だったらしいですが、これもその一環かしらん。
人工股関節置換術に至るまで ③
フォンテンブローの岩山登りの後から顕著に痛みが増した股関節、ランオフをしても治りません。
夜寝ている間もずーっと痛いし、階段の上りに足が上がらない。
あ〜あ やっちゃったかな〜 って思いました。
そうこうしているうちに症状はどんどん進み、太腿を上げる、股関節を深く曲げる動作が痛くて強ばってしまってできません。
靴下をはくのにも、あいたたたー と言いながらゆっくり股関節をまげ足先に持って行くのがやっと、靴の紐が満足に結べない、ズボンに足を入れるのに太腿があがらないから床に持ってってすくうように足をいれるしかない‥‥等々、坂を転がるように普段の生活に支障がでてくるようになります。
靴下を履くのに最初は家族にお願いしていたのですが、毎日のことなので何とかしないと と思っていたところ、例のアメリカの友人Tちゃんからこんな便利物の紹介を受けます。
ソックスエイド(笑)
これは本当に便利ものでした。術後の血栓症予防のタイツを履くのにも大活躍しました。ぎっくり腰の際にも使えそうです。(そんな機会はいらんけど 笑)
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様子をみても痛みが取れないので、さっそくいつもお世話になっているスポーツ専門の一般医に相談、股関節専門の外科医の紹介を受けます。
過去のMRIやレントゲンの確認と、診察で私の股関節の可動域や痛みの具合を診た股関節専門の外科医の所見は以下のとおり。
- 臼蓋形成不全(骨のかぶりが浅い、生まれつきではなく恐らく成長期の発達異常)
- 骨のかぶりが浅い為、骨を支えるために関節唇が通常の人より発達していて長い。
- 長くなった関節唇に、運動による摩擦と思われることが原因の嚢胞ができている。関節唇回りには神経が多い、よって摩擦によって嚢胞が炎症を起こして腫れると痛みが増す、引くと痛みが小さくなるという状態だと思われる。(診断名ですと股関節唇損傷またはで股関節インピンジメントすかね?)
- 関節内へのステロイド注射がよく効くということだが、(また走るんでしょ?だから)数ヶ月おきにこのまま打ち続けるということはできない。炎症には効くが、骨には悪影響があり、身体の深いところに注射を打つので、注射が原因で感染症を発生する可能性もあり。ひどい感染症にかかるとその後人工関節の手術そのものができなくなる場合もある。
- 股関節唇損傷の治療には、内視鏡手術という方法もある。(関節周辺に小さな孔を数か所開け、そこから関節鏡と手術用具を差し込んで手術するようです。)
ただし再発する可能性が高く、特に50代の若くない年代には有効性が低い。(ここですでにカチンときます 笑)、その場合、術前より痛みの度合いが増す場合もあり、結局最終的に人工股関節手術になる場合が多い。
ついては、今後スポーツを続けて行くためにも人工股関節置換術が一番いい解決方法と思われる。
- 素材はセラミック x セラミックのヘッドにチタンのステム
- 3Dスキャナーを使ってオーダーメイド
- 前部からの切開 (筋肉の切開はしません)
- 入院は1週間
- 術後は、動作やスポーツの種類に制限なし
他のことは差し置いて「スポーツの種類に制限なし」、そこにめちゃくちゃ反応した私ですが、初めて会ったその私立病院の医者の私の第一印象は「鼻持ちならない金儲け主義 っぽい」(笑)だったので、「まったくー! ”制限なし” とか、調子のいいことばっかり言っちゃって! ランニングを続けるために人工股関節にしましょう とかってありえないわ〜」 と頭の中にテロップが流れ、「すいませんが、一度よく考えさせていただきます」と冷たく反応したのでした。
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昨日は、術後から処方されてる理学療法士のマッサージとリハビリ運動に行ってきました。リンパドレイナージのマッサージ最高!(手術した足だけしかやってくんないのが、まあ あれですが)そしてマッサージ中に、「あれ? なんか太腿前部に筋肉がついてきましたね!」のつぶやき。
おおー! 一昨日のランニングの効果が!
(そんなにすぐ効果がでるわけないじゃんョー。でも嬉しかったです。)
(
(公園のチューリップが真っ盛りでした。)