とりあえず走りだしました!

2017年2月20日に右側の人工股関節置換術をし、2012年から始めたランニングが続けられるのか? の記録です。

ラクダの女

 

ラン友からSMS。

調子はどうよ? サイボーグになった感じ?(いきなり担当直入 寒いジョーク)

ジムが今日から3日間無料体験のキャンペーン中だよ。

昼の休憩時間にトレーニングに行くからあんたも来ない? 

あんたがどんな状態か気になっているのよ。

 

∞∞ ∞∞ ∞∞ ∞∞ ∞∞ 

ランニングの距離が踏めない場合は、バイクトレーニングが有効と誰かからきいて始めたジムのバイクのクラス。(2種類以上の運動を混ぜてトレーニングする、クロストレーニングという言葉がはやってました)

そこで毎回顔を会わせる 腰からお尻の辺りがしっかりしている地中海タイプ の体型の彼女。(フランスでは地中海体型と表現しますが、日本だと洋梨型ですね。)

名前はアビバといいます。

初めてのバイククラス、日本人らしく時間に余裕を持たせて到着したら、彼女がワシワシとバイクをこいでました。(負荷はかなり重そう)

長年このクラスを取っているらしい主のような貫禄。(貫禄は体型からくる勝手な私の印象だったのかもしれません)

いつも 始まる時間より随分前にきて、先にトレーニングを開始しているので、そのストリクトな性格が伺えます。(ということは私も時間前に行っているということになりますが、私は、視力の関係からコーチが見えやすい位置でやりたいという ただの場所取りの理由 笑)

そんな訳で毎回バッチリ顔をあわせますが、なんとも意地悪そうで、怖くて距離をおいていました。(あっちも多分そう思っていたに違いない)

 

ある時、クラスの始まりにみんなの前で「今日は私の誕生日なの! 〇〇歳になるのよ!」と明るくアピールしたアビバ。

当然ながら皆さん暖かく「おめでとう」を連呼し、その場の花形となります。

その時、私の心臓もちょっとドキドキしていたりします。

その理由は、明日は私の誕生日、そして丁度1歳年上。

その場の波にのって「あっ、私は明日よ」と言おうか 一瞬迷いましたが、バースデーガールの花形の場を邪魔する結果にはなりたくなかったので、そのままスルー。(そんなことになったら怖かったし 笑)

 

そして、その後ラン友のグループにもアビバが現れるようになります。グループの年齢は20代後半から30代中盤が主体、壮年世代は私と彼女だけですが、両端に鎮座する感じで接点はありません。

ある時みんなで長距離走をした時に、走力は同じくらいだということがお互いわかります。

そして私がずっと気になっていたのは、バイクのクラスでもランニング中も、彼女が水を飲んでいるところを見たことがない。ナゾ。

 

2度目の長距離ランの時、(本当はチョー嫌だっだけど、長距離ランニング中に水なしは相当辛いだろうと思い、意を決して)「水のむ?」と私のボトルを差し出しました。(こちらは日本の様に自販機やコンビニがあちらこちらにありません。みんなで長距離走をする日は、大抵日曜日か祭日で当然のごとくスーパーは閉まっています。《最近、徐々に変わってきましたメルシー新大統領!》トイレ事情も同じなので日本の便利さは本当にうらやましいデス。)

 

で、「水のむ?」に戻ります。

そうしたら、

「あんた、私どっから来てると思ってんの? 砂漠とラクダの国モロッコよ!水なんて全然いらないわ。ふんっ!と聞こえた気がしました)」by アビバ

私:オ、オッケー(やっぱり怖い‥‥ その時から私の中の彼女の名前は ラクダの女)

 

走力が同じくらいとわかって以来、私に対してライバル意識満々のラクダの女。

ある時、聞かれます。「あんた何歳?」(彼らにはアジア人の年齢はわかりにくいようです。みんな平べったい幼児顔に見え、判断不能らしいです。)

私:1歳上よ、ちなみに誕生日はあなたの前日です。

ラクダ:え〜 偶然! 私たち双子じゃん!

私:(双子って。それ違うから‥) あのね、誕生日は近いけど1年違うのよ。

ラクダ:それがさ、私フランスに移住してきたとき書類上の申告1年間違えちゃったのよ。あっちの国では1歳上、だから同じ歳よ。

 

さすがの貫禄、アラブ系! ラテン系の曖昧さも驚くことが沢山ありますが、初めてお近づきになるこちら系の方の大雑把さにもびっくりします。しかも訂正する気なさそうだし。(このまま修正申告なしでいいんですかね。💧)

 

そして、それ以来、双子の私のことを気に入っていただけたようで、現在までとてもご好意にしていただいています。(会話はいつもダイレクトすぎて、今でも固まることが多いですけど)

 

アビバと初めて一緒に参戦したのは Le Cross du Figaro(クロス デュ フィガロ)。

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パリ郊外のレースですが、市内からメトロ+徒歩で行き着けることができる数少ないトレラン気分を味わえるレースの1つです。

 

前半6kmはほとんど上り調子で、後半は下り調子の 12kmのコース。

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5月のレースなので気温があがることもあり、その日も25度を越える夏日の予報でした。

暑いのは大の苦手な私、出だしは木陰がありますが、上にいく程カンカン照りになるのは知っていたので、私は愛用のシンプルハイドレーションを携帯。

 

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(サイトよりお借りしました。 パンツ内はいかにも気持ち悪そうなので、私はフリップベルトに挟んで使用しています。こんな感じ ↓ )

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(ただし背中側につけてます。写真はお借りしました。)

 

タイム別のカテゴリーはなく並んだ順に一斉にスタートします。

私は遅いので、いつものようにみんなの最後尾についていきます。

若者達はさっさと行ってしまい、残るは私とアビバ。

彼女は私のすぐ前を登って行きます。(絶対私の後ろにはなりたくない彼女 笑)

お尻は大きくて重そうだけど、大きいだけではなく筋肉もついているので、さすが登りが早いな。ガシガシ登って行くよ。(ラクダなのに速いな)

 

給水地点は坂の頂上の6キロ地点、そこまで何とか彼女を視野に入れてがんばろ〜 の私。(持参のシンプルハイドレーションから ちょびちょび給水しながら進みます。)

 

上りの行程でも細かいアップダウンがあるのですが、下りで私が彼女をぬかし、上りでぬかされるを繰り返します。 段々私も負けん気がでてきます。

 

予想どおり、上に行くにつれて木陰はなくなり、カンカン照りの太陽サンサン、さすがのラクダの女も疲れている様子が伺えます。

そしてやっと到着した6キロの給水地点。

 

あれっ? ラクダの女は給水テーブルの方に向かってるぞ。(珍しい〜 っていうか初めて見た光景)

チャンス!こんな時はシンプルハイドレーション!!

気づかれないように給水を遠回りにパスし、止まらず自前の水分補給!

これで後は下るのみよ〜。

下がるにつれて木陰が多くなってくるので調子も上がり、そのままラクダの女に追いつかれることなくゴールしたのでした。

 

これが唯一、私がラクダの女を負かしたレースです。

その後のレースはいつも彼女の方が1、2分速い。

(やっぱりバイクで鍛えた太腿 / 尻 パワーですかね)

いつかまたデッドヒート後に追い抜いてやりたいなー! いつかきっと。

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で、アビバのお顔拝見とジム行ってきました。

そろそろマシーンで太腿の筋肉のエクササイズでも始めて、足の筋トレ、そしてあわよくば気になっている足の長さの違いを戻せないかな? という魂胆。

(医者から、手術で伸びた筋肉が戻れば短くなる → 筋トレすれば戻るかもという単純な思考)

 

調子にのってレッグプレスをやってみる。

太腿がお腹に付きそうなポジションになった時、

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(こんな感じになった時。あ、負荷は殆どゼロです。写真はお借りしました)

一瞬グキッ(ガクン?の方が近いか)と、股関節が外れるような大きな違和感がきました。 

あ〜やばい! 💦 

すぐにやめて足を振ったり、軽くストレッチしてみるも何だか変、っていうかいつもの違和感のあたりが痛いし。

夕方学校から帰った長男からも「何したの?びっこになってるよ」の指摘あり。

(バレたか〜。筋トレの件を話します。幸い今日は(今日も ともいいます)主人の帰りは遅いらしいので、明日トンカツ vs パパには内緒 でディール完了)

あーあ、いつものように、また突っ走りすぎた感じで大撃沈。(3歩進んで10歩さがる)

まだまだ一般的な筋トレは私には時期尚早だったみたいです。(トホホ)

 

トレーニングを終えたアビバとお茶します。

先ほどの大きな違和感と痛みで意気消沈の私をみてフォローをしてくれます。

「大丈夫よ。ほら、名前忘れちゃったけど膝から下が両方義足のオリンピクに出た人もあんなに速く走れるじゃない。あんたも戻るわよ」by アビバ

 

私:「‥‥‥‥」(さすがアビバ流フォロー。 マイナス35度くらい)

 

 

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